変音機紀行

BOSS  FBM-1 & FDR-1



ギターの雑誌などを読まれている方はご存知かもしれませんが、
コンパクト・エフェクターで有名なメーカー、BOSSからこんなエフェクター
がリリースされました。



FBM-1


この『FBM-1』というエフェクターは、
フェンダーより発売された、1959年製の『Bassman』というアンプを
忠実に再現したエフェクターです。
『Bassman』とはその名の通り、もともとベース用として発売されていたもの
なのですが、ギターで鳴らしたときの音の響きが多くのギタリストに好まれ、
現在でもその時代のモデルを再現したものが人気のアンプです。
『ベース用』というわけではなく、ベースにも使えますよといった『ベース対応』だったという話も。


ツマミは左から、
『Presence & Middle』『Bass』『Treble』『Level & Gain』
一般的なBOSSのエフェクターとは違って、並び方が逆になってます。
これはオリジナルの『Bassman』に合わせた並びにしてあるみたいです。
操作性や踏み心地に関しては、BOSS製ということで問題ないでしょう。
(売り物なので、実際に踏んだわけではありません。作りは従来のものと同じです。)

音は想像していた以上にいい感じで、Gainをあげた時の歪み方も、
粒が粗くてかなり私好みのサウンドでした。
やっぱり『1959年製 Bassman』をモデリングしているということもあり、
音が古臭く感じるという方もいらっしゃるかもしれませんが、
ブルースやClaptonのサウンドを好む方にはたまらないものかもしれません。
しかし、Yngwieのようなサウンドや、Dream Theaterのようなメタル
を好む方には合わないかと・・・。
(使い方次第かもしれませんが・・・。)

ちょっと残念に思ったのは、
実際に本物の『Bassman』を鳴らしたことがないので比較は出来ないんですが、
本物はもっと太い音が出るんじゃないかと。
いろいろツマミをかえて試してみたんですが、低音の太さがちょっと弱く感じました。
(アンプの設定によってさらに変わってくるのかもしれませんが・・。)






FDR-1


こちらの『FDR-1』の方は、
同じくフェンダーよりリリースされた、1965年製の『Deluxe Reverb』
というアンプを忠実に再現したエフェクターです。
こちらも『Bassman』に負けず劣らず、とても人気のあるアンプで、
多くのスタジオで、このアンプを見ることが出来るかと思います。


ツマミは左から、
『Level & Gain』『Treble』『Bass』『Vibrato & Reverb』
こちらの並びは一般的なBOSS製エフェクターと同じですね。
『FBM-1』同様、操作性には問題はなさそうです。

『1965年製 DeluxeReverb』をモデリングしたエフェクターではあるんですが、
先ほどのエフェクターと比べると、グッと最近の音な感じがします。
クリーンの音が思った以上にキレイに出るし、さらに上質のリヴァーブ
ビブラートがくっ付いているので、オーディオ・インターフェース前の
『アンプシミュレーター』にはちょうどいいエフェクターではないかと。
余計なクセや粗さがないので、メタルやロック、ポップスなど、
どのようなジャンルの音楽にも対応できそうです。

ちょっと残念だったところは、
過去に『Deluxe Reverb』の音を聴いたことがあったと思うんですが、
「このアンプのリヴァーブ、こんな感じやったかな?」と。
(『Deluxe Reverb』だと思っていたものは、実は『Jazz Chorus』かも・・・。)
年代が違えば音は違うものだと思いますが、
このエフェクターもまろやかなリヴァーブなんですけど、
もっとまろやかだったんじゃないかなぁ・・・・。
あと、歪みがちょっと物足りませんでした。もうちょっと歪んでくれると・・・。





※どちらのエフェクターも米国フェンダー社のライセンス正式に受けて
開発されたので、本体のロゴなどは実物のアンプと同じものを使用しています。



これらのエフェクターを雑誌で目にしたときに、とても気になったことがあったので、
そのことをBOSSの親会社にあたる(と思われる)Rolandに質問してみると、
ギターオーディオ・インターフェースの間につなげば、
アンプシミュレーターとして使うことも可能! とのことでした。


それぞれ¥15000前後ということなので、
「いきなり高価なアンプシミュレーターを買うのはどうだろう」
と悩んでおられる方は、一度このエフェクターを試されてみては?




 試奏Guitar : スクワイヤー製 ストラト。
 試奏アンプ : Roland製 Cube




※あくまでも私の感想ですので、購入を考えておられる場合は、
実際に楽器店に足を運ばれて、これらのエフェクターを試してみて、
本当に自分の好みに合ったエフェクターを選ぶことをおすすめします。

少しでも参考になれば嬉しく思います。




MiyaFactory的ぶろぐ。 2007/03/23-24の日記より。



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