コラム No.022

瓶、その2。 (ボトルネック特集)

ということで。
昨日の記事 に引き続いての『ボトルネック』のお話です。


前回は素材などに関してのことを主にお送りいたしましたので、
今回は指遣い(ゆびづかい)に関してのことをお送りしようと思います。




※主にエレキギターアコースティックギターでの奏法を中心に
お送りする予定で、スティールギターに関してのことは省きます。








前回、


『そもそもはビンの首の部分を切って使っていたために、
このように呼ばれています。』



と記事中にあったことから、
ボトルネックの使い方を何となく想像してくださった方も
いらっしゃるんじゃないかと思いますが・・・。




基本的には、指輪のように指に通して使用します。
(指輪とはサイズが全然違いますが・・・。(苦笑))



で、弦を軽く押さえ左右に移動(スライド)させながら弾くわけです。


このとき、
強く押さえてしまうとフレットで押さえているのと変わらない状態になったり、
ちゃんと上手く当たっていないと音がビビったりしてしまうので、
微妙なバランス感覚が要求されます。(笑)



※ 『フレット』とは・・・。
(右利きの場合に)左手で押さえる部分のことを指板(しばん)という風にいいまして、
その部分にある金属の棒(みたいなもの)のこと。


この棒により、決まった高さの音が出るようになってます。

また、この棒のないものの事を『フレットレス』といいます。
以前紹介した、ジャコ・パストリアスのベースが『フレットレス・ベース』でしたね。




あと、フレットを使わないということは、
ボトルネック
がある場所の音がそのまま出るということで、
ちゃんとした場所で鳴らさないとピッチが狂って聴こえます。






ボトルネック奏法でもう一つ重要な点は『ビブラート』


普通に弦を押さえた場合、
細かなチョーキング
を繰り返すことでビブラートの効果を得られますが、
押さえていない状態であるボトルネックでは
左右に細かく振ることビブラートを生み出します。



このとき、左右に振りすぎたり中心となる場所が動いてしまうと、
ピッチの外れた音になってしまいます。
(やっかいですね〜。(笑))






上手な方のボトルネックさばきを見ていると、
上のようなことをこなしつつ、弦の移動もすいすいと行われます。

何であんなにすばやく、正確な音が出せるんだろう・・・。(汗)






あと、ボトルネックを装着する指によって弾き心地がかなり変わってきます。
以下は、装着する指に関してのご紹介。










ということで・・・。








まずは薬指ですね。
ここに装着するのが、おそらく一番一般的なんじゃないかなぁ・・・と。


どちらかというと弦を押さえづらい薬指に装着するので、
普段どおりに近い演奏
が出来るかもしれません・・。

が、指と指の間につけることになるので、
人によっては少々ジャマには感じるかも・・・。


あと、使い始めは力加減が難しいかもしれませんね〜。
薬指は鍛えづらい指でもあり、ボトルネックの重さにも苦労させられるかもしれません。


ミュート(消音)人差し指中指で行います。
(基本的にボトルネックをつけている指親指にある指で行います。たしか・・・。)












お次は小指
薬指に次いで、一般的な装着場所だと思います。


場所的にもジャマにならない場所だし、
人差し指
中指薬指の3本でミュートをすればいいわけですから、
かなり安定した演奏が出来るかも・・・。


ただ、薬指以上に力の弱い小指なので、慣れるまでは大変だと思います。

あと指を広げることが難しくなるので、
レンジ(幅)の広い演奏はしづらくなるかもしれませんね。














最後は中指
おそらく、3種類の装着方法の中で一番マニアックな方法かと・・・。(笑)
実は、私はこの中指に装着して弾いてます。
(もちろん『ポルカ』でもこの弾き方。)


動きがよくて、それなりに力もある中指ということもあり、
力のかけ方
に関してやボトルネックの重さに負けることはないと思います。


ただ、ミュートをする指が人差し指しかないので、
すばやいアプローチをするには向かないかも・・・。
















と、こんな感じですかね〜。


ちなみに、人差し指では使いません。
(もしかしたら、私が知らないだけで人差し指に装着されている方もいらっしゃるのかもしれませんが・・。)


ボトルネックをつけたとしてもボトルネックだけで演奏するというわけではなく、
コード弾き弦を押さえてのソロを弾いたりもしますので、
一番動かせる人差し指につけることで得られる利点はないかと・・・。

あと、人差し指につけるとミュートが出来なくなるというのも、
装着しない理由の一つだと思います。









あと、上のことを書き終わった後に気がついたので、ここに書いておきますが・・・。

スライドを演奏される方は
『オープンチューニング』

をされている場合が多いですね。



ギターのチューニングというのは、
押さえない状態(開放状態)で一本ずつ鳴らしていくと、低音(太い)から、

E(ミ)A(ラ)D(レ)G(ソ)B(シ)E(ミ)

という順番に並んでいます。

このチューニングで(何も押さえずに)いっぺんに『ジャラ〜ン』と鳴らすと、
Em7sus4というコードに当てはまるのですが・・・。

(違ったらすみません。(汗))



オープンチューニングというのは、低音弦から

D(レ)G(ソ)D(レ)G(ソ)B(シ)D(レ)

というように、
何も押さえていない状態でいっぺんに鳴らしても普通のコードが鳴る

ようにしてあるチューニングのことです。


ちなみに、このチューニングは『オープンGチューニング』

(何も押さえずに)いっぺんに『ジャラ〜ン』と鳴らすと、
Gのコードが出るようになってます。


厳密に言うと、G(onD)になるかもですが・・・。(苦笑)
(on〜)っていうのは、ベース音(最低音)がそのコードの名前の音と違う場合に付けられてます。










それともう一つ、セッティングに関してのことを思い出したので、
ついでに書いておきますが・・・。

スライドをメインに演奏されている方は、
それなりに弦高(弦の高さ)が高く、並び方も
すべての弦がが同じ高さになる
ようにそろえて
セッティングされている方が多いみたいです。


弦高を高くするのは、
少々押さえすぎてしまってもフレットに当たるのを防ぐためで、
すべての弦を同じ高さにそろえる理由は、
ボトルネック
を当てたときに均一に当たるようにするため。



ですが、弦高を高くすると、
普通に押さえることに『より多くの力』が必要になるし、
弦を同じ高さにそろえてしまうと
(特に、エコノミーピッキングにおいて)ピックで弦を弾きづらくなったり、
左手の弦移動が困難になったりするので、
速弾きを多用される方にはオススメできないセッティングです。










次回もボトルネックの記事をお送りしたいと思います!
(次回が『ボトルネック特集』の最終回です。)



今回の特集が、ちょっとでも皆さんのお役に立てれば嬉しく思います。



MiyaFactory的ぶろぐ。 2008/01/23の日記より。





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