コラム No.005

魅惑のプログレ日記

日記にて現在連載中(?)『魅惑のプログレ日記』
過去に書いたものをここに載せていこうと思います。

あくまで、私の考えなどで書いてますんで、
「こういう風に思っているんだ〜」くらいで受け止めてください。

読んでいただく前に・・・・。
『アーティスト名』が『
濃い青』。『アルバム名』が『オレンジ』。『曲名』が『』。
『重要事項』など強調したい部分が『
』で書かれています。

さてさて、ちょっと前から申しておりました
『魅惑のプログレ日記 (個人的解釈によるプログレの素晴らしさ(?)を語る会。(仮))』
を語りたいと思いますが。
(タイトルの語尾を70%増量でお送りしております。)
皆さんは『プログレ』こと『プログレッシヴ・ロック』とはどんなものと解釈してますか?
『プログレッシブ』(Progressive)というのは直訳すると『進化的な』と訳されます。)
たぶん、多くの人が「変拍子・転調の曲」としてみてると思います。
確かに変拍子の曲が多いというのも間違っていないですが、
正確には『組曲や物語の楽曲(が多い)のが
プログレの一番大きな定義だと解釈しております。
さらに、ジャンルやスタイルといった境目をなくしているのも定義のひとつかと。
それゆえ、私の中ではプログレ要素をもったアーティストをまとめて
『プログレッシヴ』
と呼ぶようにしています。

先ほども出てきたように
ジャンルやスタイルの境目がなく、『組曲』や『物語』がメイン、というところから、
『ロック』ではなく『オペラ』『クラシック』に近いように思います。
『オペラ』では舞台・場面が変わったりするし、
『クラシック』では『第〜楽章』という風に一つの曲の中にさまざまな調・テンポを含んでいます。
そういった場面の切り替わりの部分が、
『プログレ』でいう変拍子・転調に近いように感じます。
(これも『プログレッシヴ・ロック』から『ロック』という言葉をはずして呼ぶ理由のひとつといえます。)
かといって、プログレのアーティストの曲すべてで
転調や変拍子が行われているわけでもないし、
転調・変拍子があるけど組曲(物語)形式になっていない曲もたくさんあります。
どこで『プログレ系』かそうでないかを判断するかというと、
そのアーティストのCDのレビューや、アーティスト自身の紹介文の中に、
そのアーティストを代表する「組曲」(物語)系の曲が在るか無いかで判断してます。
(それですべてを完全に決めている訳ではないんですが、簡単に言うとこんな感じですね。)

ではでは、次はプログレアーティストのアルバムを紹介していきましょう。



King Crimson (キング・クリムゾン)
いわずと知れた超有名プログレバンド。
プログレッシブ・ロックというジャンルを確立したアーティストといっても過言ではないと思います。
あと『確立した』ということもあってか、
一番『プログレッシヴ・ロック』というスタイルに近いんじゃないかと思います。
クリムゾン結成の中心人物は『ロバート・フリップ』
初期メンバーには、『EL&P』結成前の『グレッグ・レイク』が在籍してたり、
後に『エイドリアン・ブリュー』が加入したりとメンバーが結構代わるバンドですが、
この方はずっと在籍していたと記憶してます。
『EL&P』『エイドリアン・ブリュー』については後で出てくると思います。)


In The Court Of The Crimson King
(クリムゾン・キングの宮殿)


クリムゾンのアルバムの中でももっとも有名なのがこのアルバム。
ジャケットは、1度は見ると忘れられないというくらいインパクトのあるものです。
現在、このサイトのアフィリエイトの中でも紹介してますね。
実はこのアルバム・・・。
当時1位だったビートルズを抜いて1位になったアルバムなんです!
というのも驚きですが、
クリムゾンのデビューアルバムである』というのにも驚きです。
収録されている曲もすばらしいものばかりで、
『21世紀の精神異常者』という曲は名曲中の名曲なんですが、
個人的にはこの曲以上に『エピタフ』という曲が大好きです。


Larks Tongues In Aspic
(太陽と戦慄)


たくさんのアルバムの中で、私が次にあげるアルバムはこれ、
『太陽と戦慄』です。
上の『クリムゾン・キングの宮殿』ほど詳しくは知らないんですが、
何枚か聴いたなかではこのアルバムが『〜宮殿』に続いて好きだったなぁと。
中でもアルバムの題名となっている『太陽と戦慄』がすごいです!
1曲目が『パート1』最後の曲が『パート2』と分かれているんですが、
『Pt.1』が13分『Pt.2』が7分で、両方足すと20分くらいあるんですが・・・。)
どちらもすごいいい感じです。
『1』『2』となっているため、同じ曲なのではと思いがちですが、
かなり違う曲となっているので、それぞれだけ聴いても楽しめます。
簡単に言うと、『パート1』は『』の混じった
不思議、(いい意味で)妙でありながら、美しい楽曲で、
『パート2』『1』のような急激な変化はないけど、
ギター、ベース、ドラム、ヴァイオリン、パーカッションの混ざり具合がすばらしい、
『パート1』とはまた違う美しさを持った曲です。



Emerson Lake & Palmer
(エマーソン、レイク & パーマー)


前回、『クリムゾン』紹介のときに『EL&P』という名前が登場しましたが、
それがこのバンドです。
メンバーはキーボード、シンセの『キース・エマーソン』
ヴォーカル、ベースの『グレッグ・レイク』
(時々ギターが登場しますが、弾いているのはベースの彼です。
ドラムの『カール・パーマー』の3人という、
プログレにしてはめずらしいトリオ編成
しかし、かなり分厚い演奏を聴かせてくれます。
(それぞれの名前がバンド名になってるので、メンバーチェンジはありませんでした。当たり前だけど・・。(苦笑))


Tarkus
(タルカス)


『EL&P』もたくさんのアルバムがリリースされていますが、
このアルバムを省いては『EL&P』は語れないかなぁ・・・、というくらいのアルバム。
確か、今このサイトのアフィリエイトでも紹介してますね。
特にアルバムのタイトルともなっている、
アルマジロ戦車の破壊劇を描いた『タルカス』は名曲!
(ジャケットに描かれているのが、その『アルマジロ戦車』です。)
この曲だけで20分ほどありますが、結構あっという間に聴き終わってしまいます。
そーいえば、
10年くらい前に発売されたCDでは場面が変わるのにあわせてトラックを変えてありましたが、
最近のCDではすべてをまとめて1曲にしてあるようです。
個人的にはひとつの曲として扱ってくれる方がありがたいですが、
各場面のそれぞれの名前がわからないのは、ちょっと困るかな?


Pictures At An Exhibition
(展覧会の絵)


クラシックの名曲、ムソルグスキー『展覧会の絵』を題材に演奏されたライブアルバムです。
ライブということでオーバー・ダブなしの、完全に3人による演奏だと思うんですが、
これがまた凄いです。
音圧もさることながら、ライブという環境でこれだけの演奏が出来る3人の腕には脱帽です。
12曲収録中、1曲目から11曲目までが『展覧会の絵』という組曲に含まれ
全部で30分ほどあるんですが、こちらもあっという間に聞き終えてしまいます。
最後の曲は、こちらもクラシックの名曲、
『ナットロッカー』(くるみ割り人形)のアレンジなんですが
これもまたすばらしい演奏です。

ちょっと脱線しますが・・。
確かこのアルバムが発売される前、このライブの模様を録音した海賊盤が出回ってしまい、
それが話題をよんでしまったため、このアルバムを出さざるを得なくなったそうです。

上の『タルカス』も名盤ですが、このアルバムも負けず劣らずの名盤だと思いますので、
個人的には両方とも聴いてみてほしいなぁと思います。


『エマーソン』の流れるようなキーボードソロも聴き所の一つですが、
3人の呼吸の合った演奏もすばらしいです。
気になった方はぜひぜひ聞いてみてください。



初期『クリムゾン』を聴いても『EL&P』を聴いても思うことだけど、
儚げで憂いを帯びてる『グレッグ・レイク』の声ってかなり好きです。

Pink Floyd
(ピンク・フロイド)


言わずと知れた超有名プログレバンドですね。

プログレを知ってまだ間もないころ、
私の中では『クリムゾン』『フロイド』プログレ2大アーティストとなってました。
(聴き始めたころはこの2つのバンドしか知らなかった・・・、ともいえるんですが・・・。)

『ピンク・フロイド』のスタイル、というと
大作の曲もあるし、深い内容の歌詞もあるし、
そしてこの『プログレ日記』なんぞで紹介してるように、
もちろん『プログレッシブ』の要素が大きく占めてるんですが、
その要素と同じくらいの割合で『サイケデリック・ロック』の要素が含まれてるように思います。
(聴いたことのある方はわかっていただけるかと思いますが、)
『周り全てが霧の中の世界』をフワフワと宙に浮いて漂ってる感覚
っていう感じの曲が『フロイド』の曲には多いように感じます。
今でこそ普通に聴けるようになりましたが、
そんな不思議な感覚が私には合わなかったみたいで、
『プログレ』の世界に入り始めてもしばらくは『フロイド』を好きになれませんでした。

(サイケデリック:
サイケ=ドラッグ、デリック=デリシャス、という2つの言葉が合わさって出来たもので、
ドラッグの使用感に似た、フワフワ不思議な状態の音楽を指す、と昔読んだ本に書いてありました。
『クリーム』『ジミ・ヘンドリックス』もサイケデリックの要素を持ったアーティストといえると思います。)

『ピンク・フロイド』の中心人物は
『ロジャー・ウォーターズ』『デヴィッド・ギルモア』
前期は『ロジャー』で後期は『ギルモア』がこのバンドの舵を握るんですが、
結構音の感じが変わるので、聞き比べても面白いと思います。


Dark Side Of The Moon
(狂気)

言わずと知れた『ピンク・フロイド』というアーティストの数あるアルバムの中で、
一番有名であり、今でも支持され続けるアルバム。
全世界で2800万枚以上を売り上げ、全てのレコード史上第3位を記録。
しかもアメリカのアルバムチャートで724週もランクインという脅威の記録をも持っております。
(少し前のデータゆえ、現在は変わってるかもしれませんが・・・。
っていうか、これ以上売り上げてたら話題にもなってるでしょうね・・・。)

このころイニシアチブ(主導権)を握っていたのは『ロジャー・ウォーターズ』
彼のみのスタイルだったのかどうかはわかりませんが、
邦題の『狂気』というのがしっくりとくる仕上がりになっております。(笑)

正直な話ですが・・・。
初めて『フロイド』を聴こうと思われた方、ましてや『プログレ』を聴いたことのない方には
このアルバムはお薦めしません(苦笑)
個人差もあるかと思いますが、初めてにこのアルバムを持ってくると結構キツいです。
事実、私がそうでした。
『プログレ』を聴き始めて間もない頃、
『フロイド』のスタートとしてこのアルバムを持ってきてしまったため、
しばらくは『フロイド』から離れることとなりました。(苦笑)
ただ、逆に言うと、
この作品が普通に聴けるなら、
『フロイド』のだいたいの作品は問題なく聴けるんではないかと・・。

ただ、この作品に収録されている曲『Money』
『フロイド』、初『プログレ』の方でも聴いていただきやすいかと思います。


The Division Bell
(対 (tsui))


上の作品に対して、こちらの作品は94年にリリースされた『フロイド』後期の作品。
この作品のイニシアチブは『デヴィッド・ギルモア』
というか、この作品には『ロジャー・ウォーターズ』は参加してません。
(この作品の前に『フロイド』を脱退してるようです。)
アーティスト紹介のときに出てきた表現のように
『周り全てが霧の中の世界』をフワフワと宙に浮いて漂ってる感覚の曲
も有るんですが、
『狂気』のように『恐怖』『不安感』が渦巻いた感じではなく、
『神秘的』『幻想的』が共存しているという感じで、
そんな中を『美しさ』が漂っている・・・、と表せばいいのでしょうか。
このアルバムの作品には『計算された美しさ』を感じることが出来ます。

この『ギルモア』が中心となったアルバムを聴き、
『ギルモア』のソロアルバム、『On An Island』を聴いて思ったことなんですが、
『On An Island』当サイトのアフィリエイトでも紹介しております。)
『デヴィッド・ギルモア』という人は、
聴く人を『今まで見たことのない世界に連れて行く』全ての術を知っているんじゃないかな、
などと思ってしまいました。

初めて『フロイド』に触れてみようと思われた方には、
一番有名な『狂気』よりも、私はこちらをお薦めします。


と、今回は『ピンク・フロイド』について書いてきました。
少し話は変わりますが、
私は、アルバムの作られた時代
そのときのアーティストの『思い』であったり『感性』なども合わせて楽しみたい
と思う人間なので、
ベスト版やコンピレーションなんかは嫌いなんですが、
『フロイド』のベスト、『Echoes〜啓示』はお薦めしたいくらいよく出来てます。
というか、初めての『フロイド』はこのベストを聴くのが一番良いかも・・・。
『狂気』のところで紹介した『Money』も、
『対』に収録されている曲も、ベストにはもちろん収録されています。)

Yes
(イエス)


『イエス』といえばご存知の方も多いかと思われます。
個人的には『プログレ』『ポップス』の要素を足したバンドと分類してまして、
プログレの世界の入り口として最適なアーティストではないかなと思います。

彼らの曲といえば
最近では『エネループ』という電池のCMで音楽が使われてますね。
あの曲自体、昔から有名な曲なので
それまでに『耳にしたことがある!』っていうかたが多いのではないかと思います。
あの曲のタイトルは『Owner Of A Lonely Heart』(邦題:ロンリー・ハート)といいまして、
『90125』というアルバムに収録されています。
このアルバムも名盤なんですが、
個人的には『Fragile』(邦題:こわれもの)というアルバムをおすすめします!
このアルバム1曲目の『Round−about』、この曲がもうすばらしい!
8分ほどあるちょっと長い曲なんですが、だれることなく聴き入ってしまいます。
プログレ初心者の方、プログレ好きな方にはもちろんですが、
楽器を演奏される方、中でもバンドを組んでおられる方には、ぜひ聴いていただきたい!

Genesis
(ジェネシス)


これを読んでくださっているどれだけの方が
このアーティストの名前をご存知かわかりませんが、
こちらも『クリムゾン』『イエス』と並んで有名な英国出身プログレバンドです。
私の中では、このバンドも『プログレ』『ポップス』を足した感じだなぁと。
ただちょっと『イエス』よりクセが強いかなぁ・・・。

初期のヴォーカリストは『ピーター・ガブリエル』
途中から、現在でもポップスのヴォーカリストとして有名な
『フィル・コリンズ』が加入します。
ギタリストは、『ポール・ギルバート』(元MR.BIG)
『ヌーノ・ベッテンコート』(元エクストリーム)と行なった
『Guitar Wars』に参入していた『スティーヴ・ハケット』です。
(途中、メンバーチェンジでギタリストが変わっているようですが・・。)

彼らのアルバムの中で、プログレの名盤といわれるのが
『Foxtrot』(フォックストロット)というアルバム。
(ヴォーカルは『ピーター・ガブリエル』です。)
6曲収録のアルバムなんですが、合計時間が51分ほどあり、
中でもすごいのが一番最後に収録されている『Supper’s Ready』という楽曲。
すばらしい楽曲なんですが、23分ほどあるので、かなりのボリュームです。(笑)
ただ本当に名曲なので、ぜひ一度聴いてみてください!

あと、『Invisible Touch』(インビジブル・タッチ)
というアルバムも悪くないんですが・・・。
(ヴォーカルは『フィル・コリンズ』です。)
かなりポップス色が強くなっているので、プログレと分類していいものか・・・。
(っていうか、タイトル曲以外、聴きこんだ覚えがないような・・・。(苦笑))

このコラムで紹介したアルバムは管理人イチオシのアルバムばかりですので、
気になったアルバムなどがあれば、ぜひ一度聴いてみてください。


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